2026年8月31日

ニキビが治ったあとも、肌に凹凸が残ってしまう「ニキビ跡の瘢痕」。ファンデーションを塗っても影が残ったり、光の当たり方によって凹凸が目立ったりして、長年悩んでいる方も少なくありません。
ニキビ跡の瘢痕は、時間が経てば自然に元の肌へ戻るというものではありません。炎症によって皮膚の深い部分にあるコラーゲンなどがダメージを受け、その結果として皮膚がへこんだ状態になっているためです。
そして、ひとことで「クレーター」といっても、実は形や深さはさまざま。代表的なものとして、細く深い「アイスピック型」、境界が比較的はっきりした「ボックスカー型」、なだらかに広がる「ローリング型」があります。
そのため、ニキビ跡治療では「どの治療をするか」よりも、「どんな瘢痕なのかを見極めること」がとても重要です。レーザーだけで改善しにくい凹みには、サブシジョンや切開などを組み合わせることもあります。
今回は、ニキビ跡の瘢痕に対して行われる代表的な治療について、それぞれの特徴を紹介します。
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CO2レーザーで肌表面を整える
ニキビ跡治療でよく知られているのが、フラクショナルCO2レーザーです。
CO2レーザーは、皮膚にレーザーを点状に照射して微細な熱損傷をつくり、その創傷治癒の過程で肌の再構築を促します。新しいコラーゲンがつくられることで、肌表面の凹凸をなだらかにしていく治療です。
特に、比較的浅いボックスカー型やローリング型など、広い範囲に凹凸がある場合に向いています。
ただし、深くへこんだ瘢痕をCO2レーザーだけで完全に平らにするのは難しいことがあります。深い瘢痕の場合には、後述するサブシジョンやパンチ治療などでまず「凹みの構造」を整え、その後にCO2レーザーで肌表面を整えるという考え方もあります。
レーザー治療は一度で完成させるものではなく、肌の再構築を待ちながら複数回行うことが一般的です。赤みやかさぶたなどのダウンタイムがある点も、治療前に知っておきたいポイントです。
サブシジョンで「皮膚を引っ張っている線維」を切る
ローリング型のように、皮膚を下から引っ張っているような凹みには「サブシジョン」が適しています。
ニキビ跡の中には、単純に皮膚が薄くなってへこんでいるのではなく、瘢痕組織による線維性の癒着が皮膚の下にできているものがあります。
サブシジョンでは、専用の針やカニューレなどを皮膚の下に入れ、その線維性の癒着を切って、皮膚を引き上げやすい状態にします。
イメージとしては、皮膚を下から固定している「つっぱり」を解除する治療です。
そのため、表面だけを削るレーザーとはアプローチが異なります。ローリング型のような「引っ張られている凹み」では、サブシジョンを行ったうえで、CO2レーザーや肌育治療などを組み合わせることもあります。
TCA CROSSは深い「点状の凹み」に
細く深いアイスピック型の瘢痕には、TCA CROSSという治療が選択肢になります。
TCAという薬剤を瘢痕の凹み部分にピンポイントで塗布し、意図的に皮膚へ刺激を与えることで、治癒過程でのコラーゲン再構築を促します。
広い範囲に薬剤を塗るピーリングとは違い、凹みの部分を狙って行うのが特徴です。
特に、細く深いアイスピック型の瘢痕は、レーザーを当てても深部まで十分にアプローチしにくいことがあります。そのような場合に、TCA CROSSを組み合わせることで、より瘢痕そのものにアプローチしやすくなります。
ただし、強い濃度のTCAを使用する治療なので、炎症後色素沈着などのリスクもあるため、肌状態を確認したうえで適切に行うことが大切です。
パンチ治療・切開で「深い瘢痕そのもの」を処理する
レーザーやピーリングでは改善が難しい、非常に深い瘢痕には、パンチ治療や切開による治療が検討されることもあります。
パンチエクシジョンでは、専用の器具で瘢痕部分をくり抜き、傷を縫合することで、深い瘢痕そのものを取り除きます。
また、パンチエレベーションでは、瘢痕部分をくり抜いたあと、その組織を周囲の皮膚の高さまで持ち上げて固定します。特に深めのボックスカー型などで検討される方法です。
さらに、瘢痕の形や大きさによっては、パンチではなく通常の切開によって瘢痕を切除する方法が選択される場合もあります。
「ニキビ跡なのに切開?」と思うかもしれませんが、深い瘢痕を直接処理できるという意味では、レーザーとはまったく違うアプローチです。
もちろん切開を伴うため、傷跡が残る可能性やダウンタイムなども考慮する必要があります。そのため、すべてのニキビ跡に行う治療ではなく、深さや大きさ、形を見ながら適応を判断します。
マイクロニードリングや高周波治療という選択肢も
肌に細かな刺激を与えてコラーゲンの再構築を促すマイクロニードリングも、ニキビ跡治療の選択肢のひとつです。
針で微細な傷をつくることで肌の修復反応を促し、凹凸や肌質の改善を目指します。
また、ニードルRFのように、針を皮膚に挿入して高周波の熱エネルギーを加える治療もあります。レーザーとは異なる仕組みで真皮へ熱刺激を与え、コラーゲンの再構築を促します。
比較的浅い凹凸や、ニキビ跡だけでなく毛穴や肌質も一緒に改善したい場合などに検討されます。
「どの治療が一番いい?」ではなく、瘢痕のタイプを見る
ニキビ跡の瘢痕治療で大切なのは、ひとつの治療ですべての凹みを改善しようとしないことです。
細く深いアイスピック型ならTCA CROSSやパンチ治療、ローリング型ならサブシジョン、浅いボックスカー型ならCO2レーザーやニードリングなど、瘢痕の構造によって向いている治療が変わります。
さらに、実際には複数のタイプが混在していることも珍しくありません。
そのため、サブシジョンで癒着を解除してからCO2レーザーで表面を整えたり、深い部分をパンチ治療で処理したあとにレーザー治療を行ったりと、複数の治療を組み合わせることもあります。
ニキビ跡の瘢痕は、ただ肌の表面をきれいにするだけではなく、「なぜそこがへこんでいるのか」という構造を考えて治療することが重要です。
「レーザーを何回やっても思ったように改善しない」「自分のクレーターには何が合っているのかわからない」という方も、まずは瘢痕の種類や深さを診察してもらうことから始めてみましょう。
自分のニキビ跡に合った治療を組み合わせることで、少しずつ肌の凹凸をなだらかにし、より均一な肌を目指していくことができます。
気になる方はぜひ一度ご相談ください。
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