2026年10月08日
減量や小顔治療のあとに起きた変化を原因から考える
小顔になりたくて、顔の脂肪を減らす施術を繰り返してきた。ダイエットで体重が大きく減った。すると、頬がこけて、口元のたるみが気になるようになった。
エラを小さくするための注射を受けたあと、頬のくぼみやフェイスラインのゆるみが目立つようになった、というご相談もあります。
「小顔にしたいけれど、これ以上たるみたくない」
当院では、こうしたお悩みに対して、頬のくぼみと口元のたるみを一緒に診ています。ボリュームが足りないのか、組織が下がっているのか、皮膚が余っているのか、肌の質感が変わっているのか。何が今の見え方につながっているかを整理し、必要な治療を考えます。
1 頬のくぼみと口元のたるみを一緒に診る理由
頬がこけていると、口元のふくらみや輪郭の凹凸が、以前より目に入りやすくなります。「頬骨が張ってきた」「顔がひょうたんのような形になってきた」と表現される方もいらっしゃいます。
診察では、頬のボリュームが減っている部分と、組織が下がっている部分を確認します。加齢によって、顔の脂肪の量だけでなく、位置や分布も変化します。頬のくぼみと口元のもたつきには、こうした変化が重なっていることがあります。[1, 2]
口元がもたついて見えることだけで、さらに脂肪を減らす治療が必要とは判断できません。
頬の不足を補うことが必要な場合もあれば、下がった組織を持ち上げることや、皮膚のゆるみへの対応が必要な場合もあります。頬と口元を一緒に見ることで、どの変化を優先して治療するかが見えてきます。
急激なダイエットや体重減少のあと
急激なダイエットや、マンジャロなどを使用して体重が大きく減ったあとに、頬がこけ、口元のたるみが気になり始めたという方がいらっしゃいます。減量では、残したかった頬のふっくら感も変わることがあります。
GLP-1受容体作動薬を使用した方の画像研究でも、体重減少と顔のボリューム減少との関連が報告されています。[3] 診察では、薬の名前だけで原因を決めず、体重がどのくらいの期間で変化したか、顔のどこが変わったかを確認します。
マンジャロの国内承認適応は2型糖尿病です。使用中の薬の調整は処方医と相談し、現在も体重が変化している場合は、その経過も踏まえて顔の治療時期を考えます。[4]
以前に脂肪吸引や脂肪を減らす施術を受けた方
以前に顔の脂肪吸引を受けた方や、小顔を目指して脂肪を減らす施術を繰り返してきた方では、治療した部位と、その後の変化を確認します。
脂肪吸引には、輪郭の凹凸や左右差、皮膚のゆるみなどが生じる可能性があります。[5] ただ、現在の頬こけやたるみが、過去の施術だけで説明できるとは限りません。その後の減量や加齢も含め、いつからどのように変わったのかを伺います。
エラの筋肉を小さくする注射のあと
エラの張りに対して行う注射は、咬筋という噛むための筋肉の働きを弱め、筋肉のボリュームを調整する治療です。脂肪を減らす治療とは、変化する組織が異なります。
咬筋への注射後に、頬のこけやたるみが目立つ例も報告されています。[6] このような場合は、咬筋の大きさや働き、頬のボリューム、皮膚の状態、注射からの経過を一緒に確認します。
加齢によって顔のボリュームが変わってきた方
体重が大きく変わっていなくても、年齢とともに頬のふくらみが減り、口元のたるみが気になってくることがあります。顔の脂肪の量や分布は、加齢によって変化します。[1, 2]
「若いころと同じように小顔治療を続ければよいか」も、今のお顔の状態から考える必要があります。以前の治療歴を参考にしながら、現在の不足や下垂を改めて診ていきます。
2 診察ではボリュームと位置と皮膚の状態を確認する
当院では、頬こけと口元のたるみを考える際に、主に次の4つを整理しています。
| 確認すること | 診察で整理する内容 |
|---|---|
| ボリューム不足 | 頬やこめかみなど、どこにくぼみや厚みの不足があるか。脂肪や咬筋など、どの組織の変化が関係していそうか。 |
| 組織の下垂 | 頬や口元の組織がどの方向に下がっているか。位置の変化が、くぼみやフェイスラインにどう関係しているか。 |
| 皮膚の余剰 | 中のボリュームや組織の位置に対して、皮膚がどの程度余っているか。皮膚のゆるみがどこに現れているか。 |
| 肌のテクスチャー | 細かなシワ、ハリ、乾燥など、肌表面の質感の変化がどの程度気になっているか。 |
同じ方に複数の要素が重なることもあります。例えば、頬のボリューム不足と口元の組織の下垂があり、さらに表面の細かなシワも気になる、という状態です。
診察では、正面だけでなく、斜めや横からの輪郭、笑ったときの変化も確認します。脂肪の厚み、皮膚の状態や組織の動き方、骨格とのバランスを見ながら、主な原因を考えます。
過去に受けた施術の内容・部位・時期、最近の体重の変化、頬こけやたるみが気になり始めた時期も大切な情報です。以前の写真や施術内容がわかる資料があれば、診察の参考になります。
3 原因に合わせて治療の役割を選ぶ
不足しているボリュームを補う
頬のくぼみや厚みの不足が中心の場合は、ヒアルロン酸などの注入治療を検討します。どこに、どのくらい補うと顔全体のつながりが整うかを考え、製剤や注入部位・量を選びます。
頬こけを治療するときも、くぼみの深さだけで量を決めるわけではありません。頬骨から頬、口元、顎へ続く輪郭と、表情をつくったときの見え方まで確認します。
頬こけを補うと顔が大きくなるのか
「小顔にしたいのに、頬に何かを入れたら顔が大きくなりませんか」
この点を不安に感じる方は多くいらっしゃいます。
私自身、頬こけの原因を見極めて必要な場所に適切な量を補うことで、むしろ輪郭がシュッと整い、小顔の印象につながるケースを多く診てきました。ボリューム不足が関係していたたるみ感が、目立ちにくくなることもあります。
頬のくぼみが強いと、頬骨の張りや、その下の口元のふくらみが強調されて見えます。くぼみを補い、頬から口元への段差をなめらかにすることが、すっきりした印象につながると当院では考えています。
足した量だけで、顔の大きさの印象が決まるわけではありません。どこに立体感があり、輪郭がどうつながっているかが大切です。
もちろん、注入によって実際のボリュームは増えます。不要な場所へ入れたり、過剰な量を補ったりすれば、ふくらみが目立つことがあります。小顔の印象を目指す場合も、残したい輪郭と必要なふっくら感を確認して計画します。
下がった組織を持ち上げる
頬や口元の組織の下垂が主な問題であれば、糸リフトなどを検討します。残っている組織の位置を整えることを目指し、引き上げる方向や支える範囲を考えます。
頬がくぼんで見える場合も、組織が下がった影響がどの程度あるかを確認します。下垂とボリューム不足が重なっていれば、それぞれへの治療を組み合わせることがあります。糸で位置を調整しても補えない不足があるかどうかまで含めて判断します。
皮膚のゆるみに対して引き締めを検討する
皮膚のゆるみや余りが関係している場合は、オールタイトなどの高周波治療を検討します。当院では顔のボリュームを大切にしながら、皮膚のハリや引き締まりを目指しています。[7]
脂肪を減らす施術のあとに頬こけが気になっている方では、現在の脂肪量や皮膚の状態を踏まえて、照射する部位や治療内容を考えます。皮膚の余りや下垂が強い場合は、注入・糸リフト・高周波で対応できる範囲と、外科的治療を含めた選択肢も説明します。
細かなシワや肌の質感を整える
口元の「しぼんだ感じ」「細かくしわっぽい感じ」が気になる場合は、肌の質感も評価します。当院では、肌の状態に合わせて肌育注射などを検討しています。[8]
肌育注射と呼ばれる治療も、製剤によって成分や目的が異なります。くぼみや輪郭を整えたいのか、細かなシワやハリを改善したいのかを分けて、治療を選びます。
これらの治療を、全員に同じ組み合わせで行うことはありません。まず主な原因と希望する変化を確認し、必要な治療を優先します。段階的に治療して、変化を見てから次を検討する場合もあります。
4 残したいふっくら感と変えたい輪郭を共有する
「小顔にしたい」という言葉の中には、エラの張りを抑えたい、口元のもたつきを減らしたい、フェイスラインをなめらかにしたいなど、さまざまな希望があります。
一方で、頬の丸みや、疲れて見えないふっくら感をどのくらい残したいかも、人によって違います。そこまでご自身で整理できていなくても大丈夫です。鏡や写真を見ながら、気になるところと希望する印象を一緒に確認します。
以前の顔立ちに近づけたいのか、今の顔立ちを生かして輪郭を整えたいのか。変えたいところと残したいところを共有し、予算や生活上の予定も踏まえて治療計画を考えます。
「小顔にしたいけれど、これ以上たるみたくない」という方は、そのままのお気持ちをお聞かせください。
よくあるご質問
昔の脂肪吸引や他院の小顔治療のあとでも相談できますか
ご相談いただけます。受けた施術、治療部位、時期、わかる範囲で使用した薬剤などをお知らせください。以前の治療からの変化と、現在の状態を確認し、追加の治療が必要かどうかから考えます。
エラの注射後にこけて見えたらすぐに補う必要がありますか
注射後どのくらい経過しているか、今も輪郭が変化しているか、咬筋の状態はどうかを確認して判断します。くぼんで見えることだけで注入を決めず、経過を見ることも含めて検討します。
頬こけと口元のたるみは同じ治療で改善できますか
ボリューム不足が関係しているたるみ感には、補う治療が役立つ場合があります。ただし、組織の下垂や皮膚の余りが主な原因であれば、それに合った治療を考える必要があります。頬と口元を一緒に診るのは、その違いを確認するためです。
頬こけと口元のたるみを札幌で相談したい方へ
Lab.clinic札幌大通では、過去の小顔治療や体重の変化も伺いながら、頬のボリューム、組織の位置、皮膚の余り、肌の質感を確認しています。
小顔を目指してきたのに、頬こけやたるみが気になるようになった。そのような方も、施術を決めずにご相談ください。どこに何が必要なのか、今のお顔から一緒に考えていきます。
治療の費用とリスクについて
掲載している美容治療は自由診療です。治療内容・使用製剤・量・回数などによって費用が異なり、効果や経過にも個人差があります。
注入治療には腫れ・内出血・感染・しこりなどがあり、ヒアルロン酸注入では血管閉塞による皮膚壊死や視覚障害などの重い合併症が起こる可能性もあります。[9] 糸リフトには腫れ・内出血・痛み・感染・糸の露出などがあります。[10] 高周波治療には赤み・腫れ・痛み・熱傷などのリスクがあります。[11] 診察時に、期待できる変化と各治療のリスク・費用をご説明します。
各治療の内容・料金・経過については、以下の施術ページをご覧ください。
参考文献・参考資料
[1] Boehm LM, et al. Facial Aging: A Quantitative Analysis of Midface Volume Changes over 11 Years. Plastic and Reconstructive Surgery. 2021;147(2):319–327.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33165293/
[2] Gierloff M, et al. Aging changes of the midfacial fat compartments: a computed tomographic study. Plastic and Reconstructive Surgery. 2012;129(1):263–273.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21915077/
[3] Sharma RK, et al. Radiographic Midfacial Volume Changes in Patients on GLP-1 Agonists. Otolaryngology–Head and Neck Surgery. 2025;173(2):360–366.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40407186/
[4] 医薬品医療機器総合機構 PMDA. マンジャロ皮下注アテオス 電子添文. 2026年9月改訂 第11版.
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/530471_2499422G1024_1_11
[5] American Society of Plastic Surgeons. Liposuction Risks and Safety.
https://www.plasticsurgery.org/cosmetic-procedures/liposuction/safety
[6] Peng HLP, Peng JH. Complications of botulinum toxin injection for masseter hypertrophy: Incidence rate from 2036 treatments and summary of causes and preventions. Journal of Cosmetic Dermatology. 2018;17(1):33–38.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29250900/
[7] Lab.clinic札幌大通. オールタイト 肌のハリと引き締め.
https://lab-cl.com/medical/radiofrequency/
[8] Lab.clinic札幌大通. 肌育注射.
https://lab-cl.com/medical/skin-booster/
[9] U.S. Food and Drug Administration. Dermal Fillers Soft Tissue Fillers.
https://www.fda.gov/medical-devices/aesthetic-cosmetic-devices/dermal-fillers-soft-tissue-fillers
[10] American Society of Plastic Surgeons. Thread Lift Risks and Safety.
https://www.plasticsurgery.org/cosmetic-procedures/thread-lift/safety
[11] U.S. Food and Drug Administration. Non-Invasive Body Contouring Technologies. 高周波を含む加熱技術の一般的なリスクに関する資料.
参照日:2026年10月8日
